細胞を元気に 自然の力

ターメリックの新常識?〜炎症・関節・腸・脳に広がる可能性

霞沢 彩花

霞沢 彩花(かすみざわ あやか)です。 健康や心のケアに関する情報を、やさしく分かりやすくお届けしています。 ずっと寄り添える「あなたの健康パートナー」でありたいと思っています。

最近、世界中で「ターメリック(ウコン)」が改めて注目されています。

カレーの黄色い色のもととしておなじみですが、実はただのスパイスではありません。

海外の健康誌 EatingWellVogue でも、ターメリックは「次世代のスーパーフード」として取り上げられています。

 

なぜ今、ターメリックがここまで注目されているのでしょうか。

それは、私たちの体の中で起こる“炎症”というテーマに深く関係しているからです。

炎症とターメリックの関係

炎症とは、体がダメージを受けたときに自分を守るための反応です。

しかし、ストレスや食生活の乱れなどで炎症が慢性的に続くと、関節や腸、さらには脳にまで悪影響を与えることが分かってきました。

 

ここで注目されているのが、ターメリックに含まれる「クルクミン」という成分です。

このクルクミンは、細胞の中で炎症のスイッチをやさしく調整し、体が本来のバランスを取り戻すのを助ける働きがあると考えられています。

実際に、欧米の大学研究では「クルクミン摂取後に炎症マーカーが下がる傾向がある」という報告もあり、自然なサポート成分として世界中で研究が進んでいます。

関節のこわばりや動かしづらさに

年齢とともに気になる「関節のこわばり」や「動かしづらさ」。

こうした違和感の背景にも、実は炎症が関わっている場合があります。

 

インドでは、古くから関節の不調を感じる人がターメリック入りのミルクを飲む習慣があり、これが現代にも伝わっています。

海外では「ゴールデンミルク」と呼ばれ、温かいミルクにターメリックと少しの黒コショウを混ぜるのが定番です。

黒コショウに含まれるピペリンが、クルクミンの吸収を助けてくれるという理由から、この組み合わせは理にかなっているのです。

腸の健康とメンタルへのつながり

近年の研究で、「腸と脳はつながっている」と言われるようになりました。

つまり、腸の調子が心の状態にも影響を与えるということです。

 

ターメリックは、腸の中でバリア機能をサポートし、善玉菌が元気に働ける環境を保つ手助けをする可能性があります。

海外では「腸内の炎症を穏やかに整えることで、結果的に気分が落ち着きやすくなる」と紹介する専門誌も増えています。

もちろんターメリックだけで心がすべて整うわけではありませんが、心と体をつなぐ“腸”をいたわる一つの習慣として、注目されているのです。

脳の健康にも広がる期待

さらに最近では、「脳とターメリック」の関係も話題になっています。

加齢とともに脳内で起こる炎症や酸化ストレスをやわらげるサポートが期待され、記憶や集中に関する研究も進んでいます。

 

海外の医学誌では、クルクミンを一定期間摂取したグループが「集中力テストのスコアで改善が見られた」とする報告もありました。

ただしこれはあくまで研究段階であり、医療的な効果を断言できるものではありません。

けれども、スパイスとして日常に取り入れるだけでも、体を内側から整えるひとつの「きっかけ」になるでしょう。

相互作用と安全性にも注意

ターメリックは自然の恵みですが、すべての人に万能というわけではありません。

とくにサプリメントなどで濃縮されたクルクミンを摂る場合には、いくつかの注意点があります。

薬との相互作用
 血液をサラサラにする薬や、糖尿病・高血圧の薬を服用している人は、クルクミンの作用で薬の働きが強まりすぎる可能性があるとされています。
 このような場合は、必ず医師や薬剤師に相談するのが安全です。

胃の弱い方や胆のうに問題がある方
 ターメリックは胆汁の分泌を促す働きがあるため、胆石や胆のうのトラブルがある人は控えたほうが良いとされています。

スパイスとして料理に少量使う程度なら、ほとんどの人にとって安心ですが、サプリメントとして摂るときは成分量を確認することが大切です。

毎日の暮らしにターメリックを

もしターメリックを生活に取り入れるなら、無理なく続けられる方法がいちばんです。

たとえば、

・カレーやスープに少量混ぜる

・温かいミルクや豆乳に入れてゴールデンミルクにする

・ドレッシングやスムージーにひと振り加える

といった方法なら、香りも楽しみながら自然に取り入れられます。

 

特に夜、仕事や家事の疲れを感じるときに温かいゴールデンミルクを飲むと、心がほっと落ち着きます。

香りそのものにリラックス効果を感じる人も多いようです。

海外で広がる「ニュートリショナル・トレンド」

VogueEatingWell では、ターメリックを「食べるだけでなく“感じるスパイス”」と表現しています。

単に健康効果を期待するというよりも、「体の声を聴きながら自然とつながる時間を持つ」ことが大切だという考え方です。

 

現代社会では、心と体が分離しがちです。

そんな中で、古くから受け継がれてきたスパイスが再び脚光を浴びるのは、どこか象徴的でもありますね。

まとめ

ターメリックは、炎症・関節・腸・脳といった全身に関わる健康テーマで注目されています。

ただし、サプリメントとして使う場合には、薬との相互作用や体質への配慮が必要です。

 

とはいえ、日々の食卓でスパイスとして楽しむ分には、自然の恵みをいただく素晴らしい方法です。

温かい香りに包まれながら、体の中から整っていくような心地よさを感じてみてください。

 

ターメリックの黄金色は、まるで太陽の光のように、私たちの内側に元気を灯してくれるスパイスです。

一日の中に少しだけ、その「光」を取り入れてみませんか。

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